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ドクターḠ 突然ショック状態「脾臓摘出後の重症肺炎球菌感染症」だった

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NHK ドクターG  2016年7月27日突然ショック状態になった

ドクターG:藤田保険衛生大学病院 植西憲達先生
頭痛、発熱で救急外来に来た女性がCT撮影中にショック状態に陥ります。病名は「脾臓摘出後の重症肺炎球菌感染症」でした。
ペニシリンGを投与し一命をとりとめた、診断までの経緯を紹介。

「脾臓摘出後の重症肺炎球菌感染症」

61歳女性が救急外来。
症状は、頭痛、発熱、寒気。
生活習慣病はありません。

当日は、病児保育の仕事で仕事をしていた。
夕方、帰宅してすぐ寒気と頭痛に。
後頭部の頭痛がひどく(歩くと響くような感じ)筋肉痛のような痛みがあった。

■来院時のデーター
体温:38.7度
血圧:108/45
脈拍:116回
呼吸数:24回
Sp02:100%

■身体診察
項部硬直、貧血、黄疸、充血:なし
瞳孔反射:異常なし
口腔内:異常なし
経静脈:異常なし
腹部圧痛:なし

■抗生物質の投与を開始
・バイコマイシン・セフトリアキゾン・アンピシリン

■検査結果
胸部レントゲン、心電図、頭部CT:異常なし
尿検査:異常なし
髄液検査:陰性

⇛髄膜炎を疑っていたが陰性だった。

<髄膜炎とは>
ウイルスや細菌が脳や中枢神経を包む髄膜に達し増殖。
血液低下やショックが起きると、心臓や脳などに血液を充分に送ることが出来ず死に至ることも

⇛つぎに「腹部CT」を行うが・・・

■撮影中に血圧低下と興奮状態
血圧が急低下し、意識障害がおき混乱したせん妄状態に

・血圧:57/23
・脈拍:142回

■血液検査の結果「敗血症性ショック」
腎臓、肝臓、筋肉など複数の臓器が障害を受けている可能性があった

この状態で「感染」が強く疑われ、バイタルデータ-では、敗血症性ショックを示していた。

⇛1時間以内に細菌の種類を特定し「抗生物質」を投与しなくてはいけない

<敗血症性ショックとは>
感染によって、臓器に障害が起きる。
⇛臓器障害、血圧低下、体温、呼吸数上昇 

敗血症性ショックの死亡率は4割。

■薬の投与は?
最初に投与した抗生物質は、髄膜炎を疑って投与したもの。
髄膜炎が陰性だったため、薬は、効かない。

この場合「ステロイド」も考えられるが・・・
血圧を維持する効果がある一方、白血球による免疫機能を抑える作用があり、感染症の患者に投与すると細菌が増殖し重篤化する危険。

◎抗生物質が効かない可能性
もし、膿の塊(膿瘍)があったら?
抗生物質の投与しても中まで入らないために、ドレナージで膿瘍を取り除かなくては効果は得られない。
また、大腸などに穿孔(穴)があり細菌が漏れだす場合外科的手術も必要。

⇛そのため腹部CTを撮影し膿瘍を確認する必要がある。

■腹部CTの結果
膿瘍、穿孔、胆のう炎 所見なし。

CT画像の確認で「脾臓」が見えなかった。

<脾臓>
体内に細菌が侵入するとそこに抗体がとりつき白血球に知らせます。
抗体の多くは、腸内でできますが、幾つかの細菌に対する抗体は脾臓で作られます。
脾臓を摘出すると、特定の細菌に対する抗体が作られないので細菌が増殖します。

■脾臓がない場合にかかりやすい菌
髄膜炎菌・インフルエンザ桿菌・肺炎球菌

⇛腹腔鏡手術の跡が腹部に見つかる
その配置から、脾臓手術の可能性があった。

■細菌の特定「血液のグラム染色」
血液培養では間に合わない。血液のグラム染色して顕微鏡で確認。

脾臓がないので、血液の中にたくさんいると判断。
遠心分離で血液の白血球を取り出しグラム染色。
その結果・・・

「脾臓摘出後の重症肺炎球菌感染症」と診断

<肺炎球菌>
本来、誰でも鼻や喉に持っている菌
通常発症はしないが、ストレスなどで免疫低下により増殖する事がある

■抗生物質「ペニシリンG」
肺炎球菌に強力な効果がある抗生物質を投与し、回復した。

年間1500人は、脾臓を摘出している
脾臓がない人のために、再発防止に有効なワクチンを打つことを推奨している

研修医の先生が疑った病気

■リケッチア症
リケッチアという細菌に感染する病気。
ダニやノミなどに刺されることで感染し、中枢神経などに到達すると意識障害を引き起こし死に至ることも。
くまなく皮膚の観察をする必要がある。

■溶連菌
子供がよく感染し、発熱や喉の痛みが現れる。
傷口などから侵入すると筋肉や脂肪を侵食し、手足は1時間に数センチの早さで壊死していき、48時間以内に死に至る事がある。
多くの場合は、皮膚に所見が見られる。

別名 人喰いバクテリア

■感染性心内膜炎
頭痛発熱から、細菌感染を考えた。

何らかの細菌が心臓の弁や膜に付着し増殖する病気。
全身に感染が広がると様々な臓器に機能障害をおこる。

細菌の塊が血流にのって運ばれ血管を詰まらせる事もあり、毒性の強い細菌に感染すると症状が急速に進行。
CT検査ではわからない

黄色ブドウ球菌による急性感染性新内膜炎は早く症状が出る場合がある。

■細菌感染による急性副腎不全
腎臓の上の副腎が機能不全に陥る病気。
副腎から分泌される副腎皮質ホルモンは血圧を維持する働きがあリ、
この病気になると血圧が下がりショックになる可能性。
ステロイドの投与が必要。

CT検査ではわからない

■胸部大動脈解離
体の中心を走る大動脈が裂け、胸に激しい痛みが起きる病気。
大きく避けると、死に至る

◎合わない点:発熱

  


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